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いのちを食べる(前編)

6/11/2018

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梅雨に入りジメジメと暑くなってくると、我が家にはいろんな小さなお客さまが現れるようになります。

虫ですね。

どこの家もクモぐらいは見かけると思いますが、ぎょっとするような大きなクモが出たり。
あとはみんなの嫌われ者のゴキブリ、ムカデの小さいやつ、ダンゴムシ、てんとう虫、アリ、ヤモリ、カマキリなんかも(笑)

そのようなものを見かけると、グラスをかぶせてその下にハガキかなんかを差し入れて外に解放します。

よく「殺さないの?」って聞かれるけど、殺しません。
殺したくないのと殺せないのと両方です。

家族と住んでいた時は、虫退治はお母さんがしてくれていました。
でも初めて一人暮らしをして、虫と遭遇した時わたしは自分の手で殺せないことに気づきました。
こんなに小さな生き物でも確実に今目の前で生きているという事実が、恐ろしく大きくそして重くわたしを襲ってきたからです。
結局、部屋のどこかに存在する虫の気配にソワソワしながら寝たような(笑)

わたしは物心ついた頃からとっても動物が好きな子でした。
イヌやネコに限らず何か動物を見つけると、その場から離れないくらいでした。
外に遊びに出ても、家のすぐ前で遭遇した虫をじーっとずっと眺めていられました。
学校からの帰り道もいちいち足を止めるので、なかなか家にたどり着かなかったり。
なんていうか、そういう時は自分とその目の前の動物・生き物に境界線が消えるような、姿形は違うけどどこかおんなじであることを深いところでつながりを感じていました。

それでも生き物と食べ物にはどこか境目があって、普通に魚や肉も食べて育ちました。
お花や植物も好きだったので、野菜を食べるなら魚を食べることもあまり変わりがないように思っていたのでしょう。
それにお肉やお魚そして野菜や果物なんでも偏らずに食べましょう、みたいな刷り込みもありました。

子供時代に衝撃的な場面に出くわしたことを覚えています。

例えば、どこかへ向かう車の中で目の前に大きなトラックが現れました。
運転をしていた父がそれを指差して何気なく言いました。
「あれは養豚場から屠殺所に向かうところだよ。」

その時、生きているものを殺して食べものになるという仕組みを実感しました。
家畜現場の悲惨さについてはもっと後になってから知ることになるのですが、例えばあの愛くるしく動き回るブタさんが食卓のテーブルに出てくるものと同じであることが強烈な事実でした。
そしてその間のできごと、つまりブタが豚肉になて豚料理になる過程について考えるようになったのです。

あるいはこんなこともありました。

どこかのレストラン。
おそらく家族で少し遠出をした時の道中にあったように記憶しています。

「珍しいお肉があるよ。」
という母が何を注文したかはあまりわかっていませんでした。
そしてテーブルに料理が並べられ、見た目にはいつも食べているようなお肉の塊がありました。
「子羊のステーキです。」
あのふわふわの優しい羊さんというだけでもびっくりなのに、その子どもであるいのちまでも食べものにしてしまうのかという衝撃が走りました。
恐る恐る、なんで子どものヒツジをお肉にするの?と聞いてみると、子羊の方がお肉が柔らかくて美味しいという答えが返ってきました。
わたしは悲して重たい気持ちに包まれて、一気に食欲をなくしたことをはっきりと覚えています。

動物と触れ合うことで分かった喜びが、動物との距離を縮めていきました。
そしてゾウでもアリでも、その大きさにかかわらず自分と同じいのちがあることを知っていました。

それなのに、小さなクモ1匹も自分の手で殺せないわたしが、どこかの誰かが動物を飼育し殺して毛皮を剥がして解剖して血を洗い流して、やがてきれいにパッケージされてスーパーに並んでいるからなんの感情も持たずに手にとってレジに持っていきお金を払って家で料理してたべる。

自分の手では奪えないいのちを誰かが代わりに殺してくれたから食べれるということに疑問を抱き始めてから、わたしの中でいろいろな変化が起こっていったようです。
​
続きは後半で。

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    Akiko Nagahama

    奈良でヨガのクラスをしています。
    年齢・性別・国籍問わずに歓迎です。

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